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【ネタバレなし】東野圭吾『夢幻花』小説の感想とあらすじ

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黄色い朝顔のイラスト

東野圭吾の推理小説『夢幻花』(むげんばな)を読了。大まかなあらすじと感想、見所を紹介。

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『夢幻花』作品情報

著者 東野圭吾
ジャンル ミステリー
発行日 2013年4月15日
日本
ページ数 371

2013年度・柴田錬三郎賞受賞作品

『夢幻花』あらすじ

1962年の事件

とある日本家屋に暮らす一家。和子と真一と生まれたばかりの赤ちゃんの三人家族。ある日、彼等の暮らす住宅街で、男が日本刀で次々に通行人を斬りつける事件が起こる。二人も巻き込まれて刺されれてしまう。しかし和子が必死に守ろうと抱きかかえていた赤子は・・・。

血まみれの日本刀を持つ手のイラスト

【蒲生蒼太】蒲生家のしきたり

蒲生蒼太は家族で毎年見に行く朝顔市にうんざりしつつも、そこで伊庭孝美という女の子に偶然出会い、恋心が芽生える。

デートする男女

二人はデートを重ねるも、ある日、親に厳しく反対される蒼太。同時に孝美からももう会えないと突き放される。何故、孝美は急に態度を変えたのか?そして親もまた、何故頑なに反対したのか?理由がわからぬまま、蒼太の恋は終わってしまった。

【秋山梨乃】鳥井尚人の自殺

大学生の秋山梨乃。彼女は元水泳のオリンピック候補。だが今は訳あって泳ぎから遠ざかっていた。飛び降り自殺をした従兄弟・鳥井尚人の葬儀へ行く。特に自殺を仄めかすようなこともなかったという話。果たしてその真相とは・・・?

お葬式

【秋山梨乃】殺された?秋山周治の死

祖父・秋山周治の家を訪れる梨乃。周治は元、花の研究者で引退した現在も沢山の花を自宅で育てていた。それを知った梨乃は、せっかくだからブログで花を公開しようと提案。梨乃の協力の元、花ブログを始める周治。後日、世にも珍しい黄色い花を周治の家で発見する梨乃。しかしこの花だけは公にできないと言われる。

家園

ある日、祖父を訪れた梨乃は、死亡している周治を発見。後日、例の黄色い花が現場からなくなっていることに気づく梨乃。誰かが盗んだのか?祖父の死と関係しているのか?曰く有りげな黄色い花の正体とは・・・?

【蒼太と梨乃のタッグ】

要介から黄色い花について一方的に尋問された梨乃は、後日、蒲生家を尋ねた際に蒼太と遭い、事情を知った蒼太は、自身も要介の秘密を明かすため、梨乃と協力して事件の真相を突き止めようとする。

待ち合わせる男女

【早瀬亮介】所轄刑事の決意

秋山周治の事件を担当する所轄の早瀬亮介刑事。事件は迷宮入りする。早瀬は、周治が息子の恩人であることを思い出す。息子の願いもあって犯人の逮捕を固く決意。捜査本部の協力は期待できない状況で、早瀬は本格的に単独で捜査を試みる。

ビジネスマン風の男性

【蒲生要介】兄の隠された秘密

蒼太の兄である蒲生要介は、本来の肩書は警視庁の刑事であるものの、黄色の花について知見があり、蒼太や梨乃、早瀬刑事とは別に、彼も独自で今回の事件の裏を探る。彼の目的とは一体?

警視庁

【ペンデュラム】

自殺した尚人の所属していたバンド「ペンデュラム」。彼の長年の友人である大杉雅哉と協力して名曲「ヒポノティック・サジェスチョン」は生み出された。実はこの曲にも一連の出来事と何らかの関わりが・・・?

ライブハウス

【久遠研究所】

かつての秋山周治の職場。同僚に日野和郎という人物がおり、早野刑事は彼に、殺された周治の話を聞きに行く。同僚からの評判は良いが、正義感が強いあまり、上司と衝突することはよくあったとのこと。

植物研究所

 

 

こっから感想だよ!と伝える画像

 

『夢幻花』感想

最低限の情報描写で読みやすい

本作品のテーマである「花」に関しての知識が随所に展開され、作品をよりリアルにみせている。朝顔の歴史やその生体に関する知見など。しかしそれがノイズになる程しつこくなく、コンパクトにまとめられている。多くの小説で、リアリティを求めるあまりに情報量に溢れ、読むのが億劫になるパターンはよくあるが、そうは感じさせない程度に文章量をコントロールする技術はさすがだ。

朝顔

きれいな伏線回収

基本は蒼太、梨乃、早瀬刑事の三人を軸に展開していき、そこに要介、尚人のバンド関係、周治の元同僚など、実に多くのキャラが関連していくことになる。序盤からガンガン伏線がでてくるが、最終的にはきれいに回収される。

若干、無理矢理さを感じる設定も見受けられるものの、凡用な創作者ならストーリーが破綻しかねないそのフラグの量を収束させる点は、百戦錬磨の為せる技か。

『夢幻花』小説

 

終わりに

過去に数多くの映像化が成されている東野圭吾作品だが、2019年6月の現段階ではまだ映画化の話はでていないようだ。『夢幻花』の映画化を夢想してみる。前述したようにキャラ数や伏線の多さからまともに作れば駄作へまっしぐらだろう。群像劇スタイルは止めて主人公を一人に絞り、設定も思い切った断捨離が必須に思われる。

何はともあれ、小説自体はおそらく誰が読んでもそれなりに楽しめる作品かなと思う。逆に言えば東野作品の中では凡用であり、無難な作品だ。『白夜行』『容疑者Xの献身』『赤い指』など数々の名作ミステリーと比べてしまうとインパクトが弱いのは否めない。しかし何を読もうか迷った時に、とりあえずこの一冊を選んでおけば間違いない。自信を持っておすすめできる作品だ。

 

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