映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」は南勝久の人気漫画「ザ・ファブル」を原作とした実写映画である。
2021年6月18日(金)に劇場で公開。
一度は2月5日に公開決定したものの、コロナの影響による緊急事態宣言などが相まって延期されたのだ。
本記事は映画の概要と感想をネタバレありで書いている。
ちなみに私は原作者の南勝久マンガ大好き。
処女作であるナニワトモアレからずっと愛読してきた。
そんな原作好きの私の目からみた相違点などにも触れている。
ちなみに映画「ザ・ファブル」のパート1に関しては以下の記事に書いているので参考にされてほしい。
『ザ・ファブル』初実写化!南勝久ファン歴15年による感想【映画】
最初にザ・ファブルの基本的な情報から説明するが、すぐ感想を読みたいという方はこちらを押して頂ければすぐに見られる。
映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」概要
監督は~監督で主演は岡田准一だ。
「クラブマガ」やフィリピン武術「カリ」など本格的な格闘技や武術の訓練を積んでいる岡田准一が適役と言ってよいだろう。
監督 | 江口カン |
原作 | 南勝久「ザ・ファブル」(漫画) |
主題歌 | 「レイン・オン・ミー」レディー・ガガ、アリアナ・グランデ |
キャスト |
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「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」劇場情報
映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」の原作漫画について
映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」予告編
ちなみに「ザ・ファブル」のパート1はAmazonプライム会員であれば見放題である。
またAmazonプライムに関して詳しくは以下の記事でも解説しているので参考にしてほしい。
【Amazonプライムビデオ】料金・支払い方法・解約など徹底解説
映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」あらすじ
ザ・ファブルのベースとなるストーリーは以下で前作との共通項でもある。
現代の東京。その伝説的な強さのため、裏社会の人間から「寓話」という意味を持つ「ファブル」と呼ばれる1人の殺し屋がいた。その男は幼いころから「ボス」の指導を受け、数々の標的を仕留めてきた。しかし、彼の正体が暴かれるのを恐れたボスは「1年間大阪に移住し、その間は誰も殺さず一般人として平和に暮らせ」と指示する。こうして彼は「佐藤明」という名前を与えられ、ボスと古くから付き合いのある暴力団「真黒組」の庇護の元、一般人として大阪での生活を始めるのだった。
「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」では、宇津帆という元ヤクザで闇の仕事で荒稼ぎする男が敵役となる。
映画「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」感想(※ネタバレあり)
映画化第1弾のレビューでは「設定借りただけのイケメンパラダイス」なんて辛口のコメントを残した。
『ザ・ファブル』初実写化!南勝久ファン歴15年による感想【映画】
しかし今回は格段に良くなっていた印象。
※ちなみに今回のストーリーは漫画だと9巻~13巻にあたる
「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」の残念な点
最初に残念な点から言うと、終盤の白昼堂々ド派手な銃撃戦である。(ちなみに原作にはない)
前作からお馴染みの、わちゃわちゃバトルである。
なんでいつもこうなるの笑
これが暗殺が鉄則である殺し屋同士の戦いなのか・・・?
爆破に合わせて2階下に飛び降りるシーンまでは原作に忠実で「おおっ」ってなった。
しかしその直後、いきなり暗殺部隊がゾロゾロでてきて「またかよ」って。笑
派手にキャッチーに見栄え良くしたいのはわかるけど・・・。
白昼堂々すぎる。こんな派手にやらかしたらボスがサトウを殺しにくるでしょ。
せめて対大勢ではなく、ボーンシリーズみたいな「少人数との濃い戦い」みたいだったら良かったのになあなんて。
しかしそれ以外はおおむね良い印象。
ほぼ原作に忠実な流れ+役者の持つ魅力もプラスされて素晴らしい。
堤真一はコミカル、シリアス役、何でも安定するけど宇津帆のようなド悪もハマる。
平手友梨奈も味が出ていた。地の顔立ちが哀愁のようなものを感じさせ、闇を抱えたヒナコのような役にも馴染んでいたように思った。
特に素晴らしかったのは山奥でのクライマックス。
原作に忠実な流れではあったが、
- 地雷の爆破シーンの迫力と緊迫感
- 宇津帆の原作を超えるほどの悪役っぷり
このあたりは原作並、いやそれ以上だった。
前作からは一転、総じて好印象でしたね。
エンドロール後のラストシーンについて
これは間違いなく最終章につながる流れ。
脳の解剖図にフォーカスする演出はラスボスとなる「山岡」というキャラを示唆するもの。
ラストシーンでボスを訪問してきたのがその山岡である。
これは同じシーンが漫画にもあるのです。(14巻冒頭)
山岡は脳の一部に損傷があって恐怖を感じられないという最恐の相手。
いやー次回作も楽しみ!
(漫画だと14巻~23巻(最終巻)のストーリー)
「ザ・ファブル 殺さない殺し屋」原作との主な違い
サトウがヒナコを車から助ける流れ
- 映画:サトウがターゲットを殺す→車が走り出す→ヒナコに気づく→助ける
- 原作:殺す→車は止まったまま→ヒナコを放っておく→サトウが去ったあとで車が暴走
貝沼が死亡する流れ
- 映画:井崎が貝沼を過失で轢き殺す
- 原作:貝沼が逃げようとして自分で崖から転落死
井崎が殺される流れ
- 映画:貝沼を殺してしまった後すぐ始末される
- 原作:一連の騒動後(宇津帆が死んだ後)最後の最後でスズキに殺される。
宇津帆が壁を殴る演出
スズキと手を組んでファブルを殺す契約をするシーン。原作では壁を殴らない。ただ話し合いで互いの決意を述べるのみ。
原作には銃撃戦の部分がごっそりない
- 映画:サトウが訪問した部屋を爆破後→銃撃戦→スズキを追う
- 原作:爆破後→すぐスズキを追う流れ
子供がジャッカル風船を追うシーンも映画オリジナル。
大きな違いといえば銃撃戦があったことくらいですね。
今回は映画も良かったけど、漫画はもっと面白いと個人的には思うのでおすすめですよ。
(今回のストーリーは9巻~13巻)