2019年5月10日公開『レプリカズ』を鑑賞。『スピード』や『マトリックス』など不動の名作に加え、近年では『ジョン・ウィック』が記憶に新しい、言わずとしれたスター俳優・キアヌ・リーブス主演、『デイ・アフター・トゥモロー』(2004)のジェフリー・ナックマノフ監督に加え、「トランスフォーマー」「RED」の制作陣によって生み出され、本国アメリカでは既に2018年に先立って公開された、SFサイコ・スリラー映画。
『レプリカズ』作品情報
制作国 | アメリカ |
ジャンル | SF、サイコスリラー |
日本公開日 | 2019年5月17日 |
監督 | ジェフリー・ナックマノフ |
キャスト | キアヌ・リーブス、アリス・イヴ、トーマス・ミドルディッチ、ジョン・オーティス、エムジェイ・アンソニー、エミリー・アリン・リンド、アリア・リリック・リーブ |
『レプリカズ』登場人物
メインキャラクター
ウィリアム・フォスター(キアヌ・リーブス)
| 科学者で人間の意識を機械に移植する研究をしている。クローン生成という禁忌を侵し、事故で失った家族を蘇らせる決意をする。 |
モナ・フォスター(アリス・イブ)
| ウィリアムの妻。精神の移植という倫理に抵触しかねないウィリアムを心配している。 |
エド・ホイットル(トーマス・ミドルディッチ)
| ウィリアムの友人であり、仕事仲間。優しくて頼れる。ウィリアムの家族のクローン生成に抵抗を覚えつつも協力する。 |
ジョーンズ(ジョン・オーティス)
| ウィリアムの上司。なかなか成功しないウィリアムの研究に苛立っている。 |
ゾーイ・フォスター(アリア・リリック・リーブ )
| ウィリアムの末娘。 |
ソフィー・フォスター(エミリー・アリン・リンド )
| ウィリアムの長女。彼氏がいる。 |
マット・フォスター(エムジェイ・アンソニー)
| ウィリアムの長男。わんぱく。 |
『レプリカズ』ストーリー
ネタバレを含みます。これから作品をご覧になるという方はご注意ください。
ウィリアムの研究
舞台はプエルトリコ。主人公のウィリアムは科学者であり、人間の精神を機械に移植する研究を行っている。
ウィリアムの研究
死後間もない人体の死滅していない脳神経を利用し、人型ロボット345型へ精神の移植を試みる。意識を持ち、動き出すところまでは成功するものの、すぐに自我が崩壊して暴れだしてしまい、失敗する。
上司のジョーンズはこれ以上はサポートしてやれない、次が最後だとウィリアムに通告する。あと一歩なんだ、あと一歩・・・
家族全滅~レプリカズ誕生
場面は変わって家族とドライブへ行くウィリアム。しかし酷い悪天候で車を脱線させ、大破!ウィリアム以外まさかの全員死亡。家族の死を受け入れられないウィリアムは精神移植の技術を使って家族のレプリカ(クローン)を作ることを決意。
ここでウィリアムの目的がアップデート!
人型ロボット345型への人間の精神移植 → 家族を蘇らせる
しかしクローンを作るにあたって様々な障壁が立ちはだかる。
クローンを生成条件
- 機械が足りなくて3体までしか作れない!(一人あきらめろ)
- 完成まで17日もかかる!(その間皆のアリバイなんとかしろ)
やむなくウィリアムはくじ引きで誰を諦めるかというデスゲームを敢行!何故かエドにくじ引きを迫るウィリアム。
結局、自分でくじを引いた結果、末娘のゾーイを選ぶことに。
フォスター家それぞれの取り巻きで、三人の行方が不明だと騒ぎ始めるも、ウィリアムは奮闘し、何とか誤魔化すことに成功する。
そして17日が経過し、奇蹟が起こる!
奇蹟の連鎖
- クローンの肉体生成が奇跡的に成功!
- 精神の移植もこれまた奇跡的に成功!
そして数日後、何事もなかったように普通に生活をしだすレプリカ家族三人。彼らの記憶は死亡する前のままなのだ。たった一つ、ゾーイの記憶を除いて・・・(ウィリアムが意図的にゾーイの記憶を皆から消した)。
迫りくる組織の闇、フォスター家の逃走劇!
ここで新たな問題が起きる。
人形ロボット345型の実験に失敗するとクローン生成の為に機材をパクったことがバレる(らしい)
しかし、ウィリアムは自らの神経を抽出して精神を移植すれば成功することを確信(原理不明)。周りの目を盗み、取り急ぎ神経細胞の抽出だけ実行。しかし黙っておく方が窮地に追いやられると考えたエドは、ウィリアムの所業をジョーンズにちくってしまう。
ジョーンズは社の利益の為に、そのアルゴリズム(クローン生成データ)を渡すようにウィリアムに迫る。しかしウィリアムはジョーンズをボコボコにし、家族と逃げ出す!
そして何とか追手を振り切るも、新たな難題がフォスター家を襲う!
新たな難題
レプリカ達の体内にGPSが仕込まれていて居場所がジョーンズに筒抜け!(ようわからんが)
GPSを取り除くために何故か病院へ向かうフォスター一家。その方法とは電気ショックを使ってGPSを破壊するというもの。どういう理屈なんだ!?そしてGPS除去成功!
でもなんやかんやで捕まってしまうフォスター一家。データを渡すよう脅され、見せしめにエドが殺されてしまう。そして次は家族の番・・・・絶体絶命!
諦めたウィリアムはデータを渡すふりをして人型ロボット345型を起動。抽出しておいた自分の意識をそのロボットに注入し、動きだす345型!ウィリアムの意識を持った345型はジョーンズとその手下を一蹴。フォスター家完全勝利!
かくして逃げ延びたウィリアムは家族と幸せな時を過ごすのだった。そしてそこにはゾーイの姿が!
一方、ウィリアムの意識を持つ人型ロボット345型は、クローニング技術を事業として推進し、これまたクローン化したジョーンズを使い、組織の拡大を図るのであった。
『レプリカズ』感想
起伏に乏しい
ぶっとんだ設定の数々はさておき、ハラハラドキドキさせてくれるストーリーの山となる場面が少なくて物足りない。終盤捕らえられた時も「もうダメだ・・・やられる」という絶望感の演出が乏しい。
提案
- レプリカ達の身体の異変フラグが後半に深刻化、それが逃走の足かせになる(GPSに加え)。
- 実は交通事故も仕組まれたもので、ウィリアムによるクローン作成を促す為の陰謀であり、真相究明の為のもうひと山を用意する。
エドはジョーンズの手先?
エドが最初からウィリアムを嵌める為に暗躍していたのではないか?という可能性を考えてみていたのだが、友を思う本心から家族のレプリカを作る協力をしたのは間違いなさそうだ。彼はジョーンズにちくりはしたが、責任の重圧からの行動であり、ウィリアムもわかっていながら最後は彼を慈しみ、感謝をしていた。だとしても、最初からエドがジョーンズの手先として動いていたと仮定したら面白いなと。
アイアンマンとターミネーターのオマージュ?
冒頭のシーンで、精神移植の為にホログラムを操る光景は、真っ先に『アイアンマン』のトニーが思い浮かんだのはウチダだけであろうか。また、人形ロボット345型のカクついた動きは初代『ターミネーター』を思い起こさせる。現代のCG技術ならもっと容易に滑らかなアニメーションの再現が可能かと思うが、あのぎごちない動きは意図してのものなのだろうか?
終わりに
総括すると、設定が大雑把な上に起伏が乏しく、物足りない映画であった。ハッピーエンド(?)とはいえ、序盤に打ちのめされて絶望に追いやられる点が『ジョン・ウィック』とかぶる。そんなキアヌ・リーブスは2019年、まだまだ話題作の公開予定が立て続けにある。
- 『ブルー・ダイヤモンド』(製作/出演)2019年8月30日公開予定
- 『ジョン・ウィック パラベラム』(出演)2019年10月公開予定
次はどんなキアヌ・リーブスがみられるのか、楽しみだ。
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