2019年7月12日公開『トイ・ストーリー4』の感想記事です。従来のファンからは賛否が分かれることが予想される、割と型破りなストーリーである今作だけど個人的にはとても良かった。その根拠や感銘を受けた点などを書きました。尚、ネタバレありです。
『トイ・ストーリー4』作品情報
製作国 | アメリカ |
ジャンル | CGアニメ、アドベンチャー |
日本公開日 | 2019年7月12日 |
監督 | ジョシュ・クーリー |
キャスト
- ウッディ/トム・ハンクス(唐沢寿明)
- バズ・ライトイヤー/ティム・アレン(所ジョージ)
- ボー・ピープ/アニー・ポッツ(戸田恵子)
- フォーキー/トニー・ヘイル (竜星涼)
- ダッキー /キーガン=マイケル・キー(松尾駿)
- バニー/ジョーダン・ピール(長田庄平)
※()内は日本語吹替
『トイ・ストーリー4』あらすじ
“おもちゃにとって大切なことは子供のそばにいること”―― 新たな持ち主ボニーを見守るウッディ、バズら仲間たちの前に現れたのは、彼女の一番のお気に入りで手作りおもちゃのフォーキー。しかし、彼は自分をゴミだと思い込み逃げ出してしまう。ボニーのためにフォーキーを探す冒険に出たウッディは、一度も愛されたことのないおもちゃや、かつての仲間ボーとの運命的な出会いを果たす。そしてたどり着いたのは見たことのない新しい世界だった。最後にウッディが選んだ“驚くべき決断”とは…?
公式サイトより引用
『トイ・ストーリー4』感想
型を破っていくウッディ、いいよ最高だよ!
「おもちゃがおもちゃの役割を果たさなくてどうする!?君たちは子供の為にあり、子供に尽くすのがトイ・ストーリーなんだよ??」
と、従来のファンからは空気を読め!!と言わんばかりの如何にも日本人といった意見が聞こえてきそうだが、むしろそれをぶち壊してくれた結末で星1つ分献上。
「やっぱり僕はボニーの元に帰るんだ…。僕はもう見向きもされない裏方に過ぎないがそれでもいいんだ。だってボニーが好きだから!だってそれがトイの宿命だから!!」
なんて枠にきれいに収めるようなさぶい発言しようものならがっかりするところだった。
ウチダの心の声
つまらないこと言わなくていいから自分の人生を生きてくれ。自分の欲望に従ってくれ。空気よまなきゃ、まわりにあわせなきゃ、観客の期待に答えなきゃ、なんて謙虚や思いやりが一周回って個を潰すようなことしなくいい。君はそれでいいんだよ。ウッディ。俺は、自分の人生を選んでくれた君を誇りに思うよ、ウッディ!
…あれ、涙が止まらない
映像界の絶対王者・ピクサー
映像は流石の世界最高水準であるピクサー、王者の貫禄ともいうべきか。単純にキャラクターのモデリングや背景を含めたライティング等のクオリティが半端ないのは言わずもがな、子供や猫などのふとした仕草、細かいアニメーションがまた非常に緻密で死ぬほど現実世界を観察して創り上げているクリエイターの狂気すらそこには感じる。そしておもちゃ達。静止しているだけならともかく、かくも現実に存在するかのような生き生きとしたアニメーションを生み出せるのはやはり凄い。怪物クリエイター集団・ピクサーである。
緻密な演出・細かい仕草
演出面で言うと例えばボーがウッディの身だしなみを正したり(バッジの角度を直したりする場面)するところなど(敢えていうと別に無くてもストーリーには影響しないような)細かい動きが随所に散りばめられていて、それがまた感情を持ったエモーショナルな「個」であるという印象を植えつける一助になっており、我々鑑賞者が感情移入する入り口となる。
現実には存在しない筈の言うなればプラスチックや材木といった資源を加工したに過ぎないであろう玩具達に生命の息吹を与え、こうも生き生きと躍動させられるのはピクサーの為せる技といったところだろうか。
終わりに
ウチダ評価
5点満点中4点:
「型を破っていく」と銘打ったがそれはシリーズ通して観てきた人にとっての話であり、この4作目がシリーズ初見となる人にとっては普通に良作だろう。アベンジャーズみたいに「過去作を観ていないと云々」もこの映画に関しては当てはまらないだろう。シリーズものにも関わらず、最新作から観ても問題なく楽しめる、本来はそうあってしかるべきかなと。そして映像のクオリティ、ストーリー構成、どちらの観点からみても子供はもちろん大人でも十分に楽しめる内容となっている。総じて良作、一見の価値あり。