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『アド・アストラ』感想!安定のブラピながら壮大な肩透かし

映画『アド・アストラ』のイラスト

2019年9月20日公開の映画『アド・アストラ』感想記事。事前情報なしで鑑賞、他のレビューを一切読まずに率直な感想を書きなぐりました。『ゼロ・グラビティ』や『インターステラー』といった傑作SFを思い起こさせる雰囲気は果たして本物か否か!?尚、ネタバレあり

『アド・アストラ』作品情報

製作国アメリカ
ジャンルSFスリラー
日本公開日2019年9月20日
監督ジェームズ・グレイ

キャスト

  • ブラッド・ピット
  • トミー・リー・ジョーンズ
  • ルース・ネッガ
  • リヴ・タイラー
  • ドナルド・サザーランド
  • ジェイミー・ケネディ
  • ジョン・フィン
  • キンバリー・エリス
  • ボビー・ニッシュ
  • リサ・ゲイ・ハミルトン
  • ジョン・オーティス

『アド・アストラ』あらすじ

時は近い未来。宇宙飛行士ロイ・マクブライドは、地球外知的生命体の探求に人生を捧げた科学者の
父クリフォードを見て育ち、自身も宇宙飛行士の道を選ぶ。
しかし、父は探索に出発してから16年後、太陽系の彼方で行方不明となってしまう。
だが、父は生きていた──ある秘密を抱えながら。
父の謎を追いかけて地球から43億キロ、使命に全身全霊をかけた息子が見たものとは──?

公式サイトより引用

『アド・アストラ』感想

 

序盤から大いなる期待

冒頭の、ロイ(ブラッド・ピット)が地球へ急降下する下り、名作SFスリラー『ゼロ・グラビティ』を思い起こさせる、観るものを巻き込んでまるで自分が宇宙空間にいるかのような臨場感を体感し、名作の予感・・・!とワクワクした。鑑賞後、調べてみると撮影監督が『インターステラー』『ダンケルク』などを手掛けたホイテ・バン・ホイテマとのこと。なるほど、秀逸な演出に合点がいった。

不安と望郷が入り交じる荘厳なミュージック

未知なる宇宙のミステリー感を表現したような不安さの中に、父(トミー・リー・ジョーンズ)への愛情か地球への望郷の念か、切ない旋律が時折垣間見え、主人公の感情そのものといったような繊細かつ壮大、荘厳な素晴らしい音楽であった。

壮大な肩透かし

上記の通り、序盤からかなりの期待値に達したのは言うまでもない。しかし、我々鑑賞者がこの映画に最も期待するものとはなんだろうか?父の行方、父の真意、宇宙の謎、地球外生命体の有無、など壮大な伏線を踏まえ、やはり我々の想像を超えるような結末、引いてはどんでん返しであろう。しかしストーリーは淡々と進み、何となく海王星にたどり着いて何となく父親と再開し、思った通りのリアクションをみせる二人。何かそこへ辿り着くまでは知り得ない驚愕の事実があるのかと思いきや、壮大な肩透かしを食らった思いであった。

中盤、なかなかの間延び感

かつての父の仲間の存在、武装集団が襲ってくる場面、または実験動物が凶暴化して襲ってくるくだりなどなど、いずれもストーリーの主軸と密接な関わりがない。無駄に長い…。それでも何らかの伏線の可能性もあるのではないか?と予想したにも関わらず、である。特に実験動物に襲われる場面、スリルがあるにはあるがモンスターパニックと化していてそこだけ浮いているような印象さえ受けた。
妻(リヴ・タイラー)の度重なる伏線も、まるで『ソラリス』(2002年)のように、地球への望郷の念とともに切なさを醸し出し、終盤への何か大きな伏線を予感させられた。しかしもやもやっと何もないまま映画は終局を迎える。

まとめ

5点満点中3点:

無論、伏線のすべての辻褄を合わせて鑑賞者の想像を超えるのは並大抵のことではない。だがしかし、秀逸な演出と美しい音楽と壮大なプロローグを目の当たりにし、何か素晴らしいクライマックスが待ち受けているのではないかと、同じSFものとしては『インターステラー』級のメガインパクトがあるのではないかと、前半の時点では予感させられた映画ではあっただけに残念。

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