2019年5月24日公開『ベン・イズ・バック』を鑑賞。ジュリア・ロバーツ主演。薬物依存から抜け出せない息子を健気に支える母親と家族の、愛の物語。
『ベン・イズ・バック』作品情報
制作国 | アメリカ |
ジャンル | ヒューマンドラマ |
日本公開日 | 2019年5月24日 |
監督 | ピーター・ヘッジズ |
キャスト | ジュリア・ロバーツ、ルーカス・ヘッジズ、コートニー・B・ヴァンス、キャスリン・ニュートン、デイヴィッド・ザルディバー |
『ベン・イズ・バック』登場人物
メインキャラクター
ホリー・バーンズ(ジュリア・ロバーツ)
| 本作の主人公。薬物依存症だった息子、ベンとの久しぶりの再会に喜ぶ。ベンに対し、厳しくありつつも深い愛情を貫く。 |
ベン・バーンズ(ルーカス・ヘッジズ)
| 薬物依存の医療施設から抜け出し、突如家族の前に姿を表す。依存症は改善しているものの、かつて薬物によって繋がっていた人物と次々に遭い、再び魔の手が忍び寄る。 |
アイヴィー・バーンズ(キャスリン・ニュートン)
| ベンの義理の妹にあたる。かつて薬物依存によって家庭を苦しめたベンに懐疑的な目を向けている。 |
ニール・バーンズ(コートニー・B・ヴァンス)
| ベンの義父に当たる。アイヴィーと同じく、ベンを信用できずに何かと責任を彼に押し付ける。 |
『ベン・イズ・バック』ざっくりあらすじ
ベン・イズ・バック!
舞台はクリスマス・イブのニューヨーク郊外。薬物依存によって長らく施設で療養をうけていたベン(ルーカス・ヘッジズ)が突如家族の元に戻ってきた。母であるホリー(ジュリア・ロバーツ)は久しぶりの息子との再会を喜ぶ。しかし夫のニール(コートニー・B・ヴァンス)と長女のアイヴィー(キャスリン・ニュートン)は良い顔をしない。
何故ならベンは施設に入る前、薬物依存によって散々家族に迷惑を掛けたからだ。しかしホリーはそれ以上に息子との再会を喜んだのだった。
ベンの告白
ところがベンはこっそり療養施設を抜け出してきたことを告白。激怒するホリー。
イブのたった一日だけ、家族といさせてほしいと懇願するベンに仕方なく許可をするホリー。しかし、四六時中監視するという条件をつける。
ショッピングモールにて
場面は変わり、娘達のクリスマスプレゼントを買うためにショッピングモールへやってきたベンとホリー。
しかしそこでベンは偶然、かつての悪友を見かける。悪夢が彼の脳裏に蘇る。一方でベンの薬物依存のきっかけとなった医師を発見するホリー。彼のずさんな治療がきっかけでベンはヤク中になったのだ。ホリーは「地獄へ堕ちろ」的な捨て台詞を吐いてその場を去る。
元麻薬中毒者の会合
元薬物依存症患者が集まる会合に参加するベンと、付き添うホリー。ベンのスピーチによって、過去に薬物依存で死にかけたエピソードが語られる。更にベンの元カノ・マギーの母と再会、以下の事実が明らかに。
- マギーは薬物依存で死亡した
- 彼女が薬物に手を出したきっかけはベンだった
アイヴィー達の演奏会~事件
娘の演奏会にて、その歌声を聞いて感動する母とベン。
しかし帰宅すると家は荒らされ、愛犬ポンスが行方不明に。ベンのかつての悪友が、彼が戻ってきたのを知って実行に及んだのであろうか。全部ベンのせいでこうなったと突き放すニールとアイヴィー。自分を責め、一人で責任をとろうと飛び出していくベン。何があっても息子を見捨てないと腹をくくっているホリーはベンを追う。犯人は何者なのか。愛犬ポンスは無事なのか。ベンとホリー、そして家族の結末や如何に・・・。
『ベン・イズ・バック』ネタバレ感想
良かったところ
なんと言ってもジュリア・ロバーツ
浮き沈みをするベンを気遣うがあまり、自身も追い込まれていく様子と、母親の悲痛なまでの叫びをジュリア・ロバーツが見事に表現していた。彼女は悪態をつくシーンが結構ある。ベンに批判的な夫や娘に急にキレたり(随時「F◯CK」使用)、ベンが薬中に至ったきっかけとなる人物に「あんたなんか死ねばいい」的なことを言い放ったり、何て下品な母親なんだ…。
が、見終わってみて思い返すと、不安定さとヒステリックさを持ち合わせたキャラクターであることを印象づけていたのだ。徐々に母親のルールから逸脱する行動を繰り返すベンに対し、「それ」は露わになり、表現の深みをより一層増している。
残念だったところ
「薬物依存の悲惨さ」の絵がない
この作品のテーマである「薬物依存の悲惨さ」を表す主なエピソードを挙げてみた。
- ベンは過去に薬物依存によって家族に多大な迷惑をかけた。
- ベンは薬物依存により死にかけて施設に入れられた。
- ベンがきっかけとなってマギーは薬物に手を出して結果オーバードーズで死亡した。
これらは全てセリフで経緯を説明されているに過ぎず、具体性に欠ける。イメージが伝わりにくい。もっと映像で表現できなかったものだろうか。
ベンのかつての悪友の印象が薄い
- 家を荒らして犬をさらう
- 犬を人質にドラッグの運び屋をベンにやらせる
・・・パンチ弱ない?
- ベンの家族に暴行やレイプ
- ベンを無理やり薬漬けにする
もっと悪賢さ、えげつなさがあったらどうだろう。ベンの追い詰められている感も薄ければ、ハードルを乗り越える感動も薄いと思うんだな。
終わりに
個人的に、「名探偵ピカチュウ」のヒロイン役で記憶に新しい、キャスリン・ニュートンの存在も気になった。ジュリア・ロバーツは50を過ぎても尚美しく、『プリティ・ウーマン』の時からほとんど体型がかわってないのは凄い。
Wikipediaを見ると「本作は批評家から絶賛されている。」とある。マジか。この拙文を読まれた方も、気になったならば是非、自分自身の目で確かめて下さいまし。