格闘技・武道

実戦向きな格闘技はどれ?メジャー競技6つを考察してみた

実戦向き格闘技

護身のために実戦向きの格闘技を習いたい!

そんな方を対象に、誰もが知っているメジャーな格闘技6種目を「実戦向きかどうか」という観点から考えを書いてみた。

実戦向きの格闘技がなぜ求められているか

何故実戦向きの格闘技が求められている?

通り魔や暴行事件、あるいは殺人事件などをニュースで見かけるたび、こう思うことはないだろうか?

もし自分の身に起きたらどうしよう?
あるいは家族や大切な人の身に危険が降りかかったらどうしよう?

  • 適切に対処できるだろうか?
  • 何もできずにやられてしまうんじゃないか?
  • 考え始めるといても立ってもいられない…!

この記事に訪れた方はそんな意識を持っているんじゃなだろうか。私が総合格闘技を始めたきっかけも、そう言った理由からであった。

以下の漫画はほぼ実際の私の体験談に沿っている。

何もできない自分の姿を目の当たりにしてしまったのが悔しすぎて弱い自分を克服しなきゃ…!という気持ちが強力に湧いた。

このままでは自分自身は愚か、他の誰も守ることができないんじゃないか…と死ぬほど悔しい気持ちになったのを覚えている。

私の格闘技歴

私は総合武道である「空道」を2007年から始めた。2020年現在の時点で13年以上続けていることになる。

この記事で紹介する格闘技は経験の差こそあれ、どれも出稽古などで実際に経験したもの。

加えて格闘技の知識もそれなりに有していると自負している。だからそれなりに信憑性はあるかと思う。

格闘技を習って身を守る力を身に付けたい!でもどの格闘技がいいの?どれが実戦向きなの?

結論を言えばどの格闘技だって実戦的と言える部分とそうでない部分がある。そこでメジャーな格闘技6種目について次の点を意識して考えを書いた。

  1. 実戦向きな部分はどこか?
  2. 実戦向きでない部分は?

ボクシング

ボクシング

実戦向きか否かと問われるとボクシング単体の技術では微妙…ってのが私の意見。しかし有用な技術はもちろんある。

どんなところが実戦向き?

ボクシングと聞いて誰もがまず想像するのは、

  • 「パンチ力がつくかもしれない」
  • 「パンチの技術で相手を倒せるようになるかもしれない」

というオフェンス面のことだろう。しかし残念ながら誰でもハードパンチャーになれるわけではない。

もちろんパンチの技術は向上する。しかし相手を倒せる程の威力を持つパンチはそうそう打てるようにはならない。

夢のないことを言うと、パンチ力に関してはほぼセンスや素質といっても過言ではない。

それよりも一番の利点はディフェンスにあると考える。ガードの方法や避け方が身につき、動体視力も養われるのだ。

相手のパンチから身を守る術が身につく。これは攻撃の技術より何より1番の実戦技術と言っても良い。

ボクサーのパンチに目が慣れれば、素人の大ぶりのパンチなど止まって見えるだろう。

さらに動体視力が洗練されることでパンチだけに限らず、あらゆる攻撃に対する察知能力や反応力がアップするのだ。これは素晴らしい部分だと考えて良い。

ここが実戦的じゃない

先述した通り、ボクシングの技術だけで相手を倒せるかというと微妙だ。

パンチひとつで大男を打ち負かすのは無理がある。同体格ならまだしも。試合では細かく階級が分かれているからこそKOが生まれ、試合として成立するのだ。

しかし実戦は常に無差別の戦いである。

グローブをつけて行う部分も実戦的とは言い難い。グローブは凶器であり、外傷は負わせにくいけど脳を容易に揺らす。それもKOが生まれやすい大きな要因だ。

逆に素手で相手を失神させるのは本当に難しい。だから実戦においてパンチだけで倒すってのはちょっと無理がある。

更に、多少パンチを当てたところで大抵掴みあいに持ち込まれるのが喧嘩の常。なぜなら1発や2発の打撃で相手が怯むことは滅多に無く、強引に組みつくことは簡単だからだ。

そうなるとボクシングの技術を有効に生かせる場面もなかなかない。

キックボクシング(ムエタイ)

キックボクシング

単純にキックが加わるだけでボクシングに比べると実戦向きでしょ?って考えがちだが弊害もある。

そして、ひと口にキックボクシングといっても団体によってルールや練習体系が違い、それによって実戦向きか否かも多少異なってくるのだ。

実戦向きな部分は?

ずばり上段の蹴りである。もし綺麗にハイキックが打てるのならそれは強力な実戦向きの技となるだろう。

ボクシングの項でも述べたとおり、パンチで自分より大きな相手を倒すのは大変難しい。

しかし蹴りはパンチより遥かに大きな力を生み出せるものだ。

顎やこめかみ、あるいはテンプルといった急所に的確に入れば、例え体格差があっても倒せる可能性が十分にあると言える。

ウチダ
ハイキックには夢と希望が詰まっている!

とはいえ、ハイキックは誰もが打てるわけではない。

股関節の柔軟性が不可欠だし大抵は綺麗なハイキックが打てずに別のスタイルを模索することになる(ハイ、それ私のことです)

もちろんハイキック以外にも有用な技はある。ミドル、ロー、前蹴り、後ろ回しや後ろ蹴り。

例えば誰もがお手軽に打てるローキック。練習を積めばローキックだけでも同体格の素人相手なら倒すことが可能だ。

強いローキックをもらったことがある人なら共感してもらえると思うが、あの芯に響く痛みというのはなかなかの地獄である。

だから蹴りには相手を倒せる要素が詰まっているのだ。そう考えるとキックボクシング単体で見てもなかなか実戦向きと言えるのではないか。

オススメは肘も習えて首相撲で組みも強くなれるムエタイだ。

ここが実戦的じゃない

キックを習うと蹴りに偏重するパターンがよくある。団体や試合によってもルールは異なるが、大抵は転倒しても試合で不利には働かない。

だから「転倒する」ことを軽くみて蹴りを打ちまくるようになる。それは極めて実戦向きとは言い難いスタイルであり、最初に述べた弊害というやつだ。

蹴りを打っている間は片足立ちになる。片足立ちになると言うことは当然バランスが悪くなる。

喧嘩で倒れた時のことを考えてみてほしい。下はアスファルトのような固い地面かもしれない。叩きつけられれば終わりと考えた方が良い。

更に相手が複数人いたらどうだろう?倒れれば総攻撃を受けて一巻の終わりだ。

だから実戦において蹴りを連発するというのはあまり賢いスタイルではないのである。

柔術

柔術

実戦を想定して格闘技をやるなら柔術はオススメできない。

もともとはグレイシー柔術のように相手を破壊するための殺人術といった趣があった。

今はほぼスポーツであり、ゲームです。

ここが実戦向き

関節技や絞め技を会得すればタイマンでは強力な武器になる。

先述の通り、打撃だけで相手を屈服させるのは大変難しい。根性がある相手だと失神でもさせない限り、何度でも立ち向かってくるからだ。

でも極め技(関節や絞め)、特に絞めは強制的に戦いを終わらせることができる。技に入ってしまえば、いくら我慢しても落ちて(失神して)しまうだけだからだ。

故に実戦でも強力な武器として機能させることもできるだろう。だから、極め技自体は実戦に直結する技術であると言える。

ここが実戦向きじゃない

近年、隆盛を極めているブラジリアン柔術は、無数にある技を掛け合って詰め将棋のように相手を追い詰めていくゲームのような趣がある。もちろんそれはそれで魅力的だし実際私も好きだ。

しかし実戦において「倒れる」「寝転がる」と言った行為は絶体絶命を意味することは前にも述べた通り。

柔術は試合を見るとわかるが、ほぼ寝転がることが前提になっている節がある。(寝転がらなきゃいけないわけではない)

例えばコンクリートの上で同じ動きができるかというと甚だ疑問。肩抜き後転しまくるムーブは固くて砂利のある場所では難しいだろう。

そして致命的なのが対複数戦。寝技で下になったら周りから袋叩きにあっておしまいだからだ。

つまり柔術では引き込みが当たり前のスタイルになっているけど実戦、特に対複数戦では自殺行為になるということ。

柔道

柔道
洗練された投げを素人が防ぐのはまず無理である。組さえすればほぼ勝ち確。間違いなく実戦向きだ。

中途半端な打撃を打つくらいなら組み付いちゃった方が早い。だから個人的には組技系格闘技の評価は総じて高めだ。

ここが実戦的

投げて地面に這わせてしまえば一発で有利になる。打撃と違って「こうすれば勝てる」ビジョンのようなものが明確だ。

また、誰もが衣服を着ているのでいつでも柔道技を掛けられる。

柔道に限らず、組技全般に言えることだが受身が習得できるのも大きい。

攻撃よりもまずは身を守る技術、受身をマスターすれば日常にも活かせる場面はあるのだ。そういった意味でも実戦向きと言える。

ちなみに受身についてはこちらの記事も参考にしてほしい。

前回り受身のアニメ
【イラスト解説】柔道・前回り受身のポイント

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ここが実戦向きじゃない

組み合って延々と組み手を競う動きは、どう考えても実戦向きとは言い難い攻防だ。

実戦を想定するならまずは離れた間合いからの打撃戦があってしかるべき。

確かに喧嘩は掴み合いから始まることも多い。だとしてもそこへ打撃が加わるだけで戦略は一変する。

組み打撃にも様々な種類があるもの。組んでからの膝や肘、頭突きなど。

だから柔道の組み手に慣れきってしまうと弊害も起きるということだ。

ウチダ
とはいっても素人相手であればそんなの気にする必要はないけどね。

ちなみに、柔道のルーツを辿ると昔は当て身(打撃)も含んだ極めて実戦的な総合武術でることがわかる。

その辺りが詳しく書かれていて、かつ面白く読める本として「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」が超オススメだ。

木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか
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レスリング

レスリング
着衣でない分、柔道よりも実戦性で劣ると言われることもあるがとんでもない。

レスリングの技術は極めて実戦向きだと考えている。個人的にはむしろ柔道以上に実戦に応用できる要素が詰まっていると思う。

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【レスリングを始めたい社会人向け】その魅力や練習内容など徹底解説

ここが実戦的

では具体的にどんなところが実戦的なのか?ズバリ投げるためのセッティングに手間がかからないところだ。

柔道のようにしっかりと掴む必要なく投げられる技も多いため、打撃との連携も組みやすい。

組んだ瞬間、接近した瞬間の際(きわ)で技を仕掛けることができるのは、極めて実戦向きの技術だと思う。

加えて全身の筋肉を満遍なく使うことから、これまた実戦向きの肉体が養成される。

確かに柔道のように着衣を掴んだ方が力は入る。しかし夏で薄着だったりするとあまりアドバンテージにならない。だって掴みにくいもん。

そして何よりセッティングに時間がかかるのが難点。その点、レスリングは衣服の有無も種類も関係ないので汎用的だと言えるのだ。

ここは実戦向きでない

ずばりグランドの攻防である。

ルール上背中をマットにつけることは負けにつながるため、それを回避しようとうつ伏せを維持しようとするのがレスラーの常である。

相手に背を向けようが関係なく、とにかく床に這いつくばってフォール負けを凌ぐ。

それは実戦向きかどうかの観点から言えば、どう考えても不自然な動きと言わざるを得ない。

総合格闘技(MMA)

MMA

ルールの縛りも少なく、打投極すべての要素が詰まっている。この中では1番実戦的と言えるだろう。

技術の幅が大きい分、覚えるのに時間がかかるというのはさておき。

技術さえ身につけてしまえば最強かもしれない。

ここが実戦的!

近年、UFCなどに見られる主流のMMAスタイルは以前に比べるとより実戦向きのスタイルになってきていると特に感じる。

それは下にならぬようひたすら立ちレスの技術を磨き、打撃でイニシアチブをとるといったもの。

その根幹となる「こかされないようにする」「下にならないようにする」と言った理念は実戦の観点で考えても大変有用だ。

何度も述べてきた通り、実戦でこける=負けを意味するのだから。

ここは実戦向きじゃない

強いて言えば裸で行うこと。柔らかいマットの上で裸足で行うこと。まあ他の競技も全部そうだけど。

個人的なオススメ【空道】

大道塾の空道はオススメ。

一言でどんな競技か説明しようと思えば「着衣総合格闘技」であるということ。

打撃、投げ、寝技に加えて頭突きや肘打ち、あるいは金的と行った技術も扱われるのでとても実戦向きと言える。

ただあえて欠点を言えば寝技の時間が30秒なので「30秒凌げればいいや」「別にこかされても30秒耐えればいいし」という転倒を軽視する考えに陥りがちな部分かと思う。

こかされない力、下にならない力という点だけ考えると通常のMMAの方が養われやすいかなと。

しかし頭突きや道着を掴んでからの打撃などは他の競技では身につかないオリジナル要素であり、とても実戦向きかつ魅力的な部分だと感じている。

【まとめ】

強くなる人は結局強くなる。何やっても一緒。

さて、主要でメジャーな格闘技について、それぞれ実戦向きか否かで論じてきた。

最後に誤解を承知で言うと正直、何やったって同じ。言い換えるとマジでその人次第。

結局、強くなる人は何をやったって強くなる。本気で実戦に生かすつもりでやればどんな競技を始めようと、自分で「勝手に」考えて工夫して実戦向きの技に昇華するからだ。

もし何かの格闘技を初めても納得がいかず「あの競技だったら良かったかなあ…」と考えてしまうのならば、きっとどんな格闘技をやったって不満を言うのではないか。

そして根も葉もないことを言うと、本当にオススメしたい格闘技は実戦向きかどうかで選ぶのではなく、

  • 興味があるもの
  • 情熱を傾けられそうなもの
  • 好きなもの

これらを基準にするのが一番だ。

他にも自宅に近いかどうか、設備の充実具合(ウエイトやシャワーの有無など)、あるいは料金など、システム面も大いに考慮すべきだろう。

やっぱ通いやすいのが一番。

また以下の記事では、各格闘技の練習内容や特徴などをまとめているので、こちらも参考にしてみてほしい。

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