この記事はネタバレを含みます。
2019年4月10日に公開されたNetflixオリジナル映画。 一種のポストアポカリプスと言える。この手のジャンル定番のスリル要素が満載でそれなり楽しめるが、悪く言えばベタで無難なB級。小説原作映画にありがちだけどうまくストーリーがまとまってなくてツッコミどころも満載な印象だった。ちなみに原作は読んでません。翻訳されてないらしい。
あらすじ
Netflixより引用
人間の存在を音で感知し襲撃するどう猛な飛行生物が突如現れ、混とんとする世界。安全な場所を求めてさまよう少女とその家族は、謎のカルト集団に遭遇する。
わかり易く流れを説明すると
- 前人未到達域らしき洞窟だか遺跡だかが発掘される
- そっからベスプというコウモリみたいなクリーチャーがわんさとでてくる
- 人類が襲撃されて大都市は荒廃
- ベスプから逃げ延びる主人公達にさらなる恐怖、謎のカルト教団が立ちふさがる
キャラ紹介(適当)
アリー|娘(JK?):聴覚障害だがその分他の感覚がするどいらしい。かわいい。
ヒュー|パパ(ハゲ):優しい。正義感強い。素敵なパパ。
ケリー|ママ(印象なし):普通のママ。
リン|おばあちゃん(たばこ):たばこを皆に内緒で吸っててたまに呼吸困難になる。
ジュード|息子(ガキ):わんぱくぽいキャラでゲームばっかやっている。
グレン|叔父さん(正義感):強くて正義感あふれる。
ロブ|彼氏(イケメン):JK娘の彼氏。主要キャラかと思いきや出番少ない。
定番要素満載で楽しめる
- 音を出せないスリル
- 抗生物質フラグ
- やっぱ人間は怖い
定番要素だよね。
音を出せないスリル
恐怖の第一要素が何かってところで、ウォーキング・デッドで言うところのゾンビをコウモリクリーチャーに置き換えられていると言えるが目新しさはない。とはいえ、小さな音にも反応して即座に襲ってくるというシーンはスリルがある。
抗生物質フラグ
誰かしらが怪我すれば必要になるのが抗生物質。そして街に取りに出向くというのもはや定番の流れだが、何が起こるんだろうとハラハラしながら見るのはやはり楽しい。
やっぱ人間は怖い
これもポストアポカリプスには欠かせない要素。状況に応じて悪賢く立ち回る人間が一番怖く、物語を盛り上げる。
中途半端
アリーが聴覚障害であるという設定について
これ必要なのか?って思うくらい生かされていない設定だと感じた。バガボンドの佐々木小次郎並みに聴覚以外の感覚が鋭いらしいというのは序盤にわかるのだが、それが生きた場面というのがほとんどなかった。アリー特有の特殊能力性を全面に出しても面白そうだけどなあ。それを手にしようとカルト教団がつけこんでくるとかありそうなもんだけど、「彼女はたくさん産めそうだ」って何を欲しているんだ・・・。
カルト教団の存在の設定
一番怖いのは化物でなく実は人間というのは普遍的なテーマではあるけどそれが中途半端。「the girl is fertile」=あの少女はいっぱい産める、みたいな意味になると思うけど、「ベスプの卵を」ってことになるのか?周辺の死体の様子から察するとそう解釈できるけど、教団員との交配で子を産めそうという捉え方もできるし決定的な要素はなかったように思える。多分原作を読めばわかるんだろうけど、化物を歓迎、あるいは信奉しているのか、目的が曖昧で設定がよくわからん。
流石に違和感
多少のつっこみどころは気にしない方が映画を楽しめるというものだけどあえていうならば。
抗生物質取り行くのに何故娘も連れて行く
娘想いフラグ出しておいて命がけの行動に何故か娘を連れていくハゲパパのキャラに違和感。ひとりで行こうとは思わないのか・・・。
ベスプを目の前にしたアリーの緊迫感のなさ
抗生物質回収時、無表情で冷静すぎてスリルを感じなかったのは俺だけだろうか。それだけ強い女性ってことなのか。
パパ、グレンに何故銃を渡す?
ハゲパパが車で事故ったグレンに銃をせがまれて渡すところ。グレンは直前に「俺はほっておけ」的なこと言っているだけに、渡したらやばそう(自殺するなどやけをおこしそう)てな考えが浮かびそうなものだが・・。結果的にグレンに救われたわけだが、最初からグレン自身が銃を持っていた方が自然だと思った。
ジュードが見つけた家の住人がいくらなんでもアホすぎる
鳴子を用意して警戒する程の人間が、登場するやいなや自分で声出して襲われて即死亡。んなアホな。
まとめ
いかんせん原作も読んでみないことには各設定があやふやでよくわからんです。とはいえ、ポストアポカリプスのスリル映画としてそこそこは楽しめる、といった感じでした。時間も90分と短く、気軽に空いた時間に観てみるにはおすすめです!
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