ケトルベルスイングは身体の様々な部位への効果が見込める。
筋トレとしてもさることながら、メニューの組み方次第では有酸素運動としても良いトレーニングになり得るのだ。
だが、中にはこのような方もいるだろう。
- 興味はあるけどやり方がよくわからない…
- 怪我とか恐いので注意点を知っておきたい
そこで、ケトルベルスイングの基本的な説明をイラスト図解たっぷりでお届けする。
私の運動歴
せっかくのケトルベルも正しいやり方・フォームができていないとしっかり効果を発揮できない。
アニメーションするイラスト(GIFアニメ)で、初心者の方にもわかりやすいように解説しているので是非、参考にしてほしい。
ケトルベルスイングのフォーム
スタンス
- 足の幅:肩幅よりやや広め。
- 足の位置:ケトルベルより足ひとつ分後ろへ
step
1スクワットをする要領で身体を沈める
この時、膝が前に出ないようにし、スネは床から垂直を保とう。
ヒップヒンジの要領で行う。
※ヒップヒンジとは
上半身と太ももを近づけていく動作。スクワットやデッドリフトなど、すべての基本となる動き。
股関節を後ろに引くイメージで腰を折り曲げる。身体は丸めないで真っ直ぐを保つ。
膝が前に出ないよう気をつける。
目線は1.5m前方の床を見るようにする。
step
2ケトルベルを後ろに引く
ケトルベルを掴んだら、まず後ろに引いて又の間を通す。
同時に息を吸い腹圧を高める。
step
3上体を起こしてケトルベルを引き上げる
足でしっかり地を蹴り、上体を一気に起こす。
ケトルベルを上げる際は、息を吐きつつも腹圧は保つ。これが結構難しい。
上体が起きた時の顔・目線は真っ直ぐ前方に向ける。
肩周りの使い方に関するコツは以下。
- 肩には力を入れずに落とす
- 広背筋はやや寄せた状態でパッキング※
あくまで足の力+ヒップヒンジでケトルベルを引き上げるので腕の力は使わない。
腕は全身の動きに伴って勝手についてくるイメージ。
動画であれば、以下の動画がわかりやすいので併せて参考にしてほしい。英語だがフォームが綺麗かつ説明のジェスチャーが明快なのでわかりやすいと思う。
呼吸と腹圧が大事
呼吸と腹圧の使い方は非常に大事。
ケトルベルは、ベルトなどはつけないで行うのが通常だ。自分で腹圧をつくり、その腹圧にベルトの役割をさせるイメージで行う。
腹圧の使い方を身につけるには、ケトルベルスイングをいきなり行うよりもまずは腹圧運動を単体ですると良い。
腹圧運動のやり方
仰向けになり、腹筋の浮き沈みを感じながら行う。
step
1息を吸いつつ腹圧を高める
ケトルベルスイングだと、ケトルベルを後ろに引いた瞬間の呼吸に当たる。
step
1腹圧を緩めずに息を吐く
ケトルベルスイングだとケトルベルを引き上げる瞬間の呼吸に該当する。
股関節が前に突き出る形になる。だから、腹圧運動の時だと背中は床に密着したままを意識すると正しい姿勢になる。

デッドリフトもフォーム習得に効果的
デッドリフトを行うことで、ケトルベルスイングのフォームもきれいになる。


デッドリフトだと、ケトルベルは持っておくだけなので、足腰・腹圧の使い方に集中できるというわけだ。
ケトルベルでデッドリフトを行う際のポイント
両足を肩幅に開き、ケトルベルの同一線上に置く。
フィニッシュでケトルベルを置く位置も、スタートと同じ場所へ戻すこと。


間違ったフォームで行うと腰痛になる?
身体を真っ直ぐに保てず、前傾姿勢になったり背中を丸めたりすれば腰痛になったり怪我に繋がる可能性がある。
だからこそ最初は軽い重量のケトルベルでやると良い。フォームを身につけることに専念しよう。

様々なケトルベルスイング
両手で行うケトルベルスイングが基本だが、他にも様々な種類がある。
- ワンハンドケトルベルスイング
- アメリカンケトルベルスイング
- ダンベルケトルベルスイング
などなど。
片手のケトルベルスイング
片手で行うワンハンドケトルベルスイングで気をつけることは以下。
- 身体は正面を向ける
- もう一方の手も振ってバランスをとる
片手だと、ケトルベルを持っている側に体が引っ張られてフォームが崩れることがよくある。
あくまで身体は正面を向いたままなのは両手を使う場合と一緒。
肩はパッキングしてバランスをしっかり保とう。
また、ケトルベルを持っていない側の手も動かしてバランスを取ること。
ケトルベルを後ろへ引く際、ケトルベルを持っていない側の手は、羽のように後ろに振る。
ケトルベルを引き上げる際も、ケトルベルを持っていない側の手も一緒に前に出す。
やはり最初は無理のない重量で行うことが大事。
アメリカンケトルベルスイング
頭上まで一気に引き上げるのがアメリカンケトルベルスイング。
より腕・肩・広背筋など広範囲に効かせることが可能。
クロスフィット(サーキット系の複合種目)ではこちらが標準で行われたりする。
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だが特に明確な目的がないのであれば、アメリカンではなく先述したやり方(ロシアン式と呼ばれる)をおすすめしたい。
「全身を連動させる」ことに注力したいのであれば、通常のケトルベルスイングの方が注意点も少なくて覚えやすいからだ。
アメリカン式だと、無理をすれば肩を痛めたりなどの怪我にも繋がりやすい。
ダンベルスイング
ケトルベルスイングはダンベルでも代用できる。持ち方は2通り。
- シャフトを持つ
- プレートを持つ
シャフトを持つと手を重ねて持つ為、力の入れ具合が左右均等にならないのが個人的にはちょっと気になる。
細かいことなので、気にする程のことではないが、やはり理想は左右均等にしたいところ。
なので、どっちかと言うとオススメはプレートを持つやり方だ。
ケトルベルスイングの回数は?毎日やるべき?
毎日やるべきかどうか、結論を言うと以下。
- フォームを身につけるために軽いウエイトで行うなら毎日OK
- フォームが見についてからがっつりやるなら週2~3回を目安に
フォームが身につくまでは5~10回を5セットほど余裕のある重さのケトルベルを使って軽めの負荷で行おう。
その間は追い込むわけではないので毎日行っても良い。
フォームが定着し、負荷をかけられるようであればケトルベルの重量を上げていこう。
限界の回数をどのくらいに持っていくかは目的にもよる。
- 10回が限界の重さ:筋肥大や瞬発力向上
- 20~30回:有酸素運動・筋持久力向上
がっつりやる際のセット数は3~5セットくらいを目安にすると良い。
そして筋肉痛や疲労がとれるまではしっかり休養すべき。
なので毎日行うのはやめ、週2~3回くらいを目安にしよう。
時間で測るのもアリ
30秒や1分など時間を設定し、時間内でひたすらケトルベルスイングを行うのも良い。
ただしその場合、かなり高回数のトレーニングになるので多少余裕のある重量を選ぶべき。
そして筋トレとしてよりは、有酸素運動や心肺機能向上としての要素が強くなる。
ケトルベルの重さは?目安は何キロ?
初心者の方が選ぶべき重さの目安は以下。
- 男性:12kg~16kg
- 女性:8kg~12kg
ちなみに重さの目安に関しては、以下の記事でも詳しく説明している。併せて参考にしてほしい。
-
【ケトルベル選び】重さの目安を解説!初心者は何kgがおすすめ?
ケトルベルを使ったトレーニングは瞬発力と持久力向上も兼ねており、本格的なスポーツ競技者にはもちろん筋トレ初心者にもオスス ...
ちなみに私の場合。
- フォームが定着するまで → 16kg✕8回を1日8~10セット
- フォームが身に付いてから → 20kg~24kgで10回✕5セット
これだけでも結構息が上がるし負荷もかかるものだ。
しかしこれにも徐々に慣れてきたので、近々32kgも購入しようかなと思っている。
ケトルベルスイングの効果・鍛えられる部位は?
ケトルベルスイングは全身を連動させるので体全体が鍛えられる。
しかし強いて言えば特に足・臀筋・体幹だ。
他にも広背筋、脊柱起立筋、腹筋、肩、僧帽筋、腕、前腕などなど。
振り上げる瞬間に足で地をしっかり蹴るため、ハムストリングスにも効くしジャンプ力も強化される。
ウエイトトレーニングのように、大きな筋肉にじっくり効かせるタイプのムーブではない。
しかし瞬発力・爆発力・ジャンプ力など総合的に効果が見込めるのだ。
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【瞬発力UP】格闘技に効果的でシンプルなトレーニング4選
瞬発力は大事。格闘技をやっている人は誰もが常々考えるはず。 もっと鋭く踏み込めるようになりたい… もっとキレッキレの打撃 ...
だからウエイトトレーニング程ではないが、やりようによっては筋肥大もそれなりに見込める。
ケトルベルスイングは痩せるのか?


ケトルベルスイングは、ランニングやマラソンほどカロリーを消費するわけではない。
ランニングやマラソンのように、常に心拍数を高めに保ったまま20分ほど動き続けない限り、脂肪燃焼はしにくいのだ。
しかしHIITやタバタ式トレーニングのような、いわゆるサーキット系のトレーニングとしてケトルベルスイングを行えば、十分なカロリー消費が見込める。
HIITやタバタ式がダイエットに効果的
HIITとは、ケトルベルスイングなどに加え、腕立てやスクワット等、他の様々な運動を複合的に行うトレーニング。
無酸素運動だけでなく、有酸素運動としての効果も見込めるので心肺機能は向上し、カロリー消費も望めるだろう。
タバタ式もHIITの一種と考えて良い。タバタ式の場合、HIITと違って時間配分(運動継続時間とインターバル)が明確に決まっている。
- 20秒間の高強度ムーブ
- 10秒間の休息
これを1セットとし、合計8セット=4分間行うトレーニングがタバタ式なのだ。
本格的にやるには、時間を測ったり回数を記録したりする人についてほしいところ。
しかし簡単なものなら1人で自宅でもできる。
- ケトルベルスイング
- 腕立て
- クランチ(腹筋運動)
- スクワット
- 踏み台昇降運動
このような種目なら騒音もさほど気にする必要はないからだ。
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さらにキッチンタイマーやアプリなどを使って時間を測ることも簡単。
ケトルベルスイングの動作が身に付いたら是非、HIITやタバタ式のようなサーキットトレーニングもやってみよう。
ちなみに、有酸素運動に関しては以下の記事もおすすめ。
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ケトルベルスイングまとめ
最後に大事な点をおさらいしよう。
- フォームが身につくまでは軽い強度で行うこと(毎日可)
- フォームが身に付いたら週2~3回を目安に行う
- 回数は10~20回を3~5セットくらい
ケトルベルの重さの目安に関しては以下の記事を参考にしてほしい。
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【ケトルベル選び】重さの目安を解説!初心者は何kgがおすすめ?
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また、ケトルベルスイングは他の様々なスポーツや競技に活かすことができる。
- 格闘技
- 野球
- ゴルフ
- サッカー
などなど。
なぜなら、ほとんど全ての競技において、動作やフォームに共通していることがあるからだ。
それは力の発生する順番。
力の発生する順番
足 → 腰 → 腕
格闘技におけるパンチ、野球における投球やバットスイングもそう。
パワーの発生は足から始まり、それが腰に伝わって最後に末端である腕や手に伝わる。

なので、ダイエットや運動不足解消にはもちろん、競技やスポーツのパフォーマンス向上にもオススメだ。
興味のある方は是非、ケトルベルスイングを取り入れてみよう。
ちなみに、ケトルベルの人気トレーニングのひとつ「ゲットアップ」は以下の記事で解説している。併せて参考にしてほしい。
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【ケトルベル】ゲットアップのイラスト解説|回数や重量の目安も紹介
ケトルベルの人気種目「ゲットアップ」は肩周り・体幹・足腰など総合的に鍛えることができるトレーニングだ。 そんなゲットアッ ...